⼟地活⽤・賃貸経営コラム

公開日:2026.02.26

最終更新日:2026.02.26

アパート・マンション経営

アパート経営は本当に儲からない?データとケーススタディから考える「選ばれる物件」の作り方

目次

アパート経営を検討している方のなかには「アパート経営は儲からない」と聞いて躊躇している方もいるでしょう。確かにアパート経営には、安定収入や節税といった魅力がある一方で、空室や修繕などのリスクも存在します。知識不足や準備不足により、期待した利益が得られないケースもあります。

しかし、失敗の原因を正しく理解し、適切な対策を講じれば、成功の確率は格段に高まります。

この記事では、アパート経営が「儲からない」と言われる理由や具体的な失敗事例、そして成功をつかむための条件を解説します。後悔しないアパート経営を実現するための、実践的なヒントとしてご活用ください。

アパート経営について、お気軽にご相談ください。

アパート経営は本当に儲からない?


アパート経営とは、アパートを貸し出して毎月の家賃を得る方法です。土地の有効活用や資産運用として人気があり、多くの人が取り組んでいます。

しかし、最も気になるのは「本当に利益が出るのか」という点ではないでしょうか。ここでは、公的なデータをもとにアパート経営の収益実態を見ていきます。

不動産所得者の平均所得は543万円

国税庁の「申告所得税標本調査(令和4年分)」によると、不動産所得者の平均所得金額は543万円です。中央値は182万円と平均値と大きな差が生じていますが、これは駐車場経営や区分マンションなどアパート経営よりも収入が低い不動産投資が含まれているからと考えられます。

なお、国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均給与は478万円です。平均値だけを見れば、給与所得者よりも不動産所得者の所得額の方が多いのが分かります。
参考:国税庁「申告所得税標本調査(令和4年分)」
参考:国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」

不動産所得の考え方

不動産所得とは、単純に家賃収入の総額のことではありません。家賃などの収入から必要経費を差し引いた額が不動産所得になります。

不動産所得=総収入金額-必要経費

たとえば、毎月の家賃収入が10万円、年間の必要経費が50万円のとき、不動産所得は「10×12ヵ月-50万円=70万円」となるのです。総収入額には、以下のような収入が含まれます。

  • 土地や建物などの不動産の貸付による収入(家賃や地代など)
  • 名義書換料や承諾料、更新料
  • 敷金や保証金などのうち返還を要しないもの
  • 共益費などの名目で受け取る電気代や水道代など

一方、必要経費としては以下のような費用が計上できます。

  • 管理費や修繕費
  • 固定資産税、都市計画税
  • 損害保険料
  • 減価償却費
  • 借入金の利息部分
  • その他の費用(消耗品費や旅費交通費、交際費など)

つまり、先ほど紹介した「不動産所得者の平均543万円」という数字は、これらの経費を支払った後に残った「純粋な利益」を指しています。

参考:国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」

「儲からない」は一概に言えない

中央値の「182万円」という数字だけを見ると低く感じるかもしれませんが、これは駐車場経営など、収益規模が小さい副業的な不動産投資も含まれているためです。

実際の申告者データを見ると、不動産所得で最も多い層は「年収300万円〜500万円」、次いで「500万円〜1,000万円」となっています。さらに、年収1,000万円を超える高所得者の割合は11.5%と高い水準を占めており、中には1億円を超える所得を得ている人も存在します。

不動産所得者の中でもアパート経営に絞ったデータはありませんが、一概にアパート経営=儲からないとはならず、投資として成功させている方もいます。

アパート経営が「儲からない」と言われる7つの理由


アパート経営で利益が出ないということは、「入ってくるお金(収入)が減り、出ていくお金(支出)が増えて、利益が押しつぶされてしまう」状態です。なぜそのような状況に陥ってしまうのか。ここでは、多くのオーナーが直面しやすい代表的な7つの原因を詳しく解説していきます。

理由①:空室リスクと入居率の低下

空室は、その期間の家賃が「ゼロ」になることを意味します。アパート経営において収益を悪化させる最大の要因です。特に戸数の少ないアパートでは、1室の空室が経営に大きな打撃を与えます。

また、空室が長引くと「人気のない物件」という印象を与え、さらに入居者が決まりにくくなる悪循環に陥る恐れもあります。空室が発生する主な背景には、以下の3つがあります。

立地選定ミス:「駅から遠い」「近くにスーパーがない」など、生活に不便な場所は選ばれにくくなります。また、ハザードマップ等の調査不足で災害リスクが高いエリアを選んでしまうことも、入居を敬遠される原因となります。

競合の増加:周辺に似たようなアパートが増えると、入居者の奪い合いになります。内装や設備で「この物件ならでは」という強みがなければ、最終的には家賃を下げて勝負するしかなくなり、収益が苦しくなります

人口減少:人口は賃貸需要に大きく影響を及ぼします。すでに人口が少ない、高齢化が進んでいるなど、今後人口が減少する見込みのエリアは賃貸市場が縮小する恐れがあり、経営にも悪影響が出やすくなります。

理由②:家賃下落と収入減少

アパートの家賃は、新築時の価格がずっと続くわけではありません。当初の予定通りに収益が上がらなくなる大きな原因の一つが、この「家賃の下落」です。一般的に、建物や設備は古くなるにつれて劣化していくため、築年数の経過とともに家賃を下げなければ入居者を確保しにくくなります。

また、自分の物件が古くなる一方で、近隣に最新設備の整った新築物件が次々と建ったり、エリアの人口が減って需要が落ち込んだりすると、相場に合わせて家賃を下げざるを得ない状況になります。

「新築時の家賃」をベースにした楽観的な計画のままだと、家賃が下がった際にローンの返済や維持費がまかなえなくなるため、将来を見越した計画が不可欠です。

理由③:多額のローン返済負担

アパートの建築や購入には高額な資金が必要なため、多くの方が「アパートローン」を利用します。家賃収入でローンを返済していくのが基本ですが、借入額が大きすぎたり返済計画に余裕がなかったりすると、返済の負担が大きくなり経営が苦しくなります。

具体的なシミュレーションで見てみましょう。
借入額:7,000万円
借入期間:25年
金利:3%

この条件だと毎月の返済額は33.1万円、年間で398万円となります。仮に、アパートの家賃が8万円で6室なら月の家賃収入は満室時で48万円となり、ここから必要経費を支払い、さらにローンを返済することになるのです。

特に注意したいのが、「帳簿上の利益」と「実際の手元のお金」は別物だという点です。ローンの元本返済分は経費にならないため、書類上は「黒字」で税金が発生するのに、実際の現金は返済で消えて「赤字(キャッシュフロー不足)」という事態も起こり得ます。

また、将来の金利上昇によって返済額が増えるリスクも無視できません。借入時には、余裕を持った返済計画を立てることが大切です。

理由④:想定外の修繕費・維持管理費

アパート経営では、毎月の維持管理費以外にも修繕に関するさまざまな費用がかかります。とくに、10~15年ごとにおこなう大規模修繕工事は、外壁塗装や屋上防水などで費用も高額になりがちです。

さらに、経年劣化による修繕費や原状回復費、突発的な故障による設備交換費など計画外の支出が必要なケースも少なくありません。たとえば、大規模修繕工事費は数百万~数千万円の費用がかかります。また、築15年をこえると大部分の設備や配管の交換、内装の張り替えなども必要となり、こちらも高額な費用が必要です。

新築当初はメンテナンスに関する費用はそれほど掛かりませんが、築年数が経過するほど維持管理費の負担も大きくなるため、事前の想定が甘いとキャッシュフローを悪化する要因となります。

理由⑤:立地選定の失敗

先述したように、立地選定を失敗してしまうと賃貸需要に影響が出て、空室や家賃下落を招き収益の悪化につながります。具体的には、以下のような要素の調査不足が立地選定の失敗につながる要因です。

  • 駅からの距離
  • 周辺施設
  • 周辺の競合物件
  • 人口動態
  • 近隣の開発予定

たとえば、単身層をターゲットにする場合、駅徒歩圏内は需要が高く、そうでないエリアの需要は低くなります。周辺施設の充実度も生活利便性に関わってくるので重要な要素です。

このような要素を軽視して立地選定したり、すでに持っている土地だからといって需要を調査しないままアパート経営をおこなうと、需要にマッチせず空室リスクが高くなるので注意が必要です。

理由⑥:サブリース契約の落とし穴

サブリース契約とは、サブリース事業者にアパートを丸ごと貸し出す契約です。入居者募集や維持管理はサブリース事業者がおこなうため、オーナー様の運営の負担を大きく軽減できます。さらに、空室が出てもサブリース事業者から一定の賃料を得られるので安心してアパート経営できる点も魅力です。

しかし、サブリース契約では以下のようなデメリットやリスクから当初の収支計画が狂い、失敗につながるケースがあります。

保証家賃減額リスク:契約時に保証された家賃が老朽化や空室などを理由に減額されるリスク。最低保証がある場合でも減額されるリスクがあるので注意が必要です。

解約時のトラブル:解約時に高額な違約金を請求される、解約時応じてくれない、サブリース事業者から一方的に解約されるといったトラブル。

修繕費負担:アパートの修繕費がオーナー負担になる契約内容であり、修繕費の負担が高額になる。

サブリース契約で失敗するケースは、サブリース契約の仕組みの理解不足や契約内容のチェック不足が大きな要因です。契約時には信頼できるサブリース事業者を見極め、契約内容を入念にチェックするようにしましょう。

理由⑦:節税目的だけでの参入

アパート経営には、所得税や固定資産税、相続税の節税効果が見込めるという魅力もあります。ただし、節税目的だけでアパート経営をスタートすると、本来のアパート経営が赤字となり失敗するケースもあります。

たとえば、所得税を軽減する場合の大まかな仕組みは、不動産所得を赤字にして給与所得との損益通算を利用するという方法です。この場合、減価償却を利用することで、手取りは確保しつつ帳簿上のみの赤字を使う方法が適しています。しかし、所得税節税のために無理に経費を計上すると、節税で得られるメリット以上に手取りの赤字が痛手になる恐れがあります。

このように、アパート経営を節税のみで検討し、賃貸事業としての収益性を十分検討していないと、長期的に赤字経営に陥り失敗しやすくなるのです。節税効果を重視する場合でも、節税メリットと事業収益のバランスを考慮して計画を立てるようにしましょう。

【ケーススタディ】実際の失敗事例から学ぶ


アパート経営の失敗を避けるためには、どのような失敗があるのかを理解しておくことも重要です。ここでは、具体的な3つの失敗事例とその回避策について紹介していきます。

ケース①:供給過多エリアでの差別化不足による失敗

固定資産税対策でアパート経営をスタートしたものの競合との差別化戦略ができずに大幅な赤字に陥ってしまったケースです。

失敗事例
東京都隣接県の郊外に固定資産税対策と老後の備えを目的として、フルローンで木造2階建てアパートを建築。建築後周辺に似たようなアパートが次々と建設され家賃相場が下落。家賃を下げたものの供給過多により空室率は増加。フルローンのため返済額が高額なこともあり、結果として毎月のキャッシュフローが大幅な赤字に陥ってしまいました。

失敗の原因
エリアの需要調査や差別化対策が取れてないことで、競合が増えた際に魅力がなく選ばれなくなってしまったことが要因です。また、フルローンを組んでいたことも返済比率の高さから、返済額と収入のバランスが崩れた大きな要因といえます。

失敗を回避する方法
エリアの需要や競合を徹底的にリサーチすることが欠かせません。そのうえで競合対策をおこなうことが重要です。このケースでは東京都隣接県であることから賃貸需要は高いとオーナー様は判断しましたが、賃貸需要が高いエリアは競合も多くなります。首都圏など賃貸需要が見込めるエリアでも、競合対策として間取りや設備、デザインなどで差別化を図るようにしましょう。

また、自己資金に余裕のない状態でのフルローンはおすすめしません。自己資金の状況を把握し、万が一の場合でも無理のない返済ができる範囲での借入をおこなうことが大切です。

ケース②:サブリース契約の家賃減額トラブル

次に、サブリース契約で失敗してしまったケースをみていきましょう。

失敗事例
アパート経営を検討しているものの、空室リスクや運営の手間に不安を感じていたオーナー様。そのような中、サブリース契約の「30年一括借り上げ」の安心に惹かれてRC造3階建てのアパート建築を決意。アパート経営当初は、契約どおりの賃料が振り込まれていることから当初の予定どおり収支計画が進んでいました。

しかし、2年目の契約更新の際に空室増加を理由に賃料の20%減を要求されます。要求どおりに契約更新したものの、賃料が大幅に下がることでアパートローンの返済が苦しくなり赤字に陥ってしまいました。

失敗の原因
サブリース契約時に更新時の賃料減額の可能性についての確認が不足していたことが原因です。また、サブリース会社に依存し差別化などを考慮しないまま建築してしまったことも、空室率増加などの原因に挙げられえます。

失敗を回避する方法
サブリース契約をおこなう場合、信頼できる業者を選ぶことと契約内容を入念に確認することが重要です。30年一括借り上げや最低保証を謳っている場合でも、契約内容によっては賃料が減額される可能性があります。

サブリース契約は魅力はありますが、リスクやデメリットもあります。サブリースの保証に頼らずとも選ばれる物件を建て、運営することで、サブリース契約自体を避ける方法も検討することをおすすめします。

ケース③:修繕費の想定不足による資金ショート

築年数の古いアパートを購入し高額な修繕費により失敗してしまったケースです。

失敗事例
初期費用を抑えてアパート経営したいと中古物件を検討していたオーナー様。表面利回りの高さに惹かれて築15年の中古アパートを購入しました。

しかし、購入後に外壁塗装や給湯器の交換、内装の張り替えなど想定外の修繕費が積み重なる事態に陥りました。もともと築15年ということで家賃設定は相場よりも低く、稼働も満室とはいきません。収入が想定どおりにいかない中、想定外の修繕費の支出が重なり赤字に転落してしまいました。

失敗の原因
表面利回りのみに注目し修繕費を十分に検討していないことが大きな原因といえます。

表面利回りは、家賃収入と物件価格だけで算出できるシンプルな利回りですが、必要経費などは考慮されていません。そのため、表面利回りだけで物件を選ぶと実際の利回り(実質利回り)と大きく異なりやすくなるので注意が必要です。

また、今回のケースでは、そもそも築15年ということでそれまでの修繕履歴や今後の大規模修繕、現状の経年劣化による修繕の必要性を十分に確認しておくことが必要でした。しかし、購入時の確認が不足し、建物の劣化具合などを見抜けなかったため、修繕費が想定以上にかかってしまった原因といえます。

失敗を回避する方法
物件を選定する際には、表面利回りだけでなく経費まで考慮した実質利回りや最終的な手取りまでシミュレーションすることが重要です。また、収支計画を立てるうえでは、築年数の経過による修繕費や家賃下落など、できるだけ具体的に、かつ複数パターンシミュレーションすることで、想定外を防ぎやすくなります。

アパート経営で成功するための9の条件


アパート経営で成功するには、ここまで紹介してきたアパート経営が儲からないと言われる理由や失敗事例を踏まえたポイントを押さえることが大切です。ここでは、アパート経営で成功するための9つの条件を紹介していきます。

①徹底した立地選定

アパート経営の成功には、立地が重要な要素となります。立地によって賃貸需要は大きく異なり、適した物件種類やターゲットなどの戦略、そもそも賃貸すべきかも変わってくるので、徹底的に調査することが欠かせません。

具体的には以下のようなデータを分析することが重要です。

  • 駅からの距離
  • 賃貸需要
  • 競合物件数
  • 人口動態
  • 将来の開発予定
  • 土地の大きさや形状、法的な制限

選定時には、駅距離・周辺施設・将来性の3軸を基準に検討している土地の需要をリサーチしていくとよいでしょう。

②適正な自己資金比率

無理な借入をおこなうと返済の負担が大きく収支が悪化しやすくなります。一方、頭金を多く用意することで借入額が少なくなり、毎月の返済額の負担が軽減されキャッシュフローの余裕が出ます。

たとえば、8,000万円のアパートを購入するケースで頭金ごとの毎月の返済額をみてみましょう。ここでは、借入条件を金利3.0%、借入期間25年とします。

頭金額 0円 500万円 1,000万円 1,500万円 2,000万円 3,000万円
借入額 8,000万円 7,500万円 7,000万円 6,500万円 6,000万円 5,000万円
毎月の返済額 379,369円 355,658円 331,947円 308,237円 284,526円 237,105円

頭金なしのフルローンを組む場合、毎月の返済額は約38万円です。一方、頭金を1,500万用意し6,500万円でローンを組めば、毎月の返済額は約30.8万円と8万円ほど下がります。毎月の返済額が8万円異なるとその差は年間では96万円となり、キャッシュフローにも大きく影響します。

頭金を十分用意することでキャッシュフローに余裕が生まれ、突発的な支出や空室リスクにも耐えやすくなり経営の安定化が図れます。

③長期収支計画の策定

アパート経営は20年、30年と続く「事業」です。新築時の満室状態を前提とするのではなく、時間の経過とともに起こる変化をあらかじめ組み込んだ、現実的なシミュレーションが成功の鍵を握ります。

具体的には、以下の3つのマイナス要素を厳しめに盛り込んでおきましょう。

家賃下落の予測: 築年数の経過に伴い、10年ごとに数%ずつ家賃が下がる前提で計画する。
空室率のシミュレーション: 常に満室と考えず、平均して「年間1ヶ月分は空室になる」など、余裕を持った稼働率で試算する。
金利上昇への備え: 変動金利を利用する場合、金利が上昇しても返済が滞らないかを確認する。

「最悪のケース」を想定した計画を立てることで、どのような状況下でも耐えられる経営基盤を築くことができます。

④信頼できる建築会社・管理会社の選定

アパート経営では、建築会社や管理会社などさまざまなパートナーと関わることになります。パートナーは信頼でき、豊富な実績をもつ会社を選ぶことが成功の鍵となります。

建築会社: その土地の特性に合った提案力や、建物の耐久性、アフターサポートの充実度を比較します。
管理会社: 客付け能力(集客力)やトラブル対応の速さを重視します。

複数の会社を比較検討し、コスト面だけでなく「長期的に信頼できるパートナーか」を見極めましょう。

⑤ターゲット層に合わせた設計・設備

アパートといっても、そのターゲットは単身層・ファミリー層、高齢者層など幅広く、ターゲットによって取り入れるべき間取りや設備、デザインなどは異なってきます。

たとえば、ファミリー層向けなら2〜3LDK以上のゆとりある間取り、特に小さなお子様がいる世帯には「オートロック」や「モニター付きインターホン」などの防犯設備が好まれます。一方、単身世帯なら1LDKの間取りで、宅配ボックスや高速インターネットなど利便性向上の設備に人気が集まります。

このように、エリアの世帯動向などからターゲットを明確にし、ターゲットに合わせたアパートにすることで高い入居率につながります。

⑥適切な家賃設定と柔軟な見直し

家賃は高すぎると入居者から避けられやすくなり、安すぎると損失が出やすくなるので、周囲の相場を調査し適切に設定する必要があります。

また、一度設定した後も近隣の競合の状況や空室率、築年数などを考慮して適切なタイミングでの見直しが必要です。

家賃設定が高ければ収入を多くできますが、入居者がいなければ収入は得られません。状況に応じて柔軟に値下げし、早期入居を優先すると収支の悪化を防ぎやすくできます。

⑦計画的な修繕・メンテナンス

アパートを長持ちさせ、高い入居率を維持するには、適切なメンテナンスが欠かせません。突然の大きな出費でキャッシュフローが悪化しないよう、毎月の収入から「修繕積立金」を計画的に確保しておくことをおすすめします。

国土交通省のガイドブックによると、築年数ごとの修繕費用(10戸あたりの目安)は以下の通りです。

【築年数別:修繕費用の目安(1棟10戸あたり)】

主な修繕箇所 RC造10戸(1K) 木造10戸(1LDK~2DK))
5~10年目 室内設備の修理、排水管洗浄など 約70万円 約90万円
11~15年目 屋根・外壁塗装、給湯器交換など 約460万円 約640万円
16~20年目 給排水管交換、外構修繕など 約180万円 約230万円
21~25年目 屋根・外壁張り替え、浴室交換など 約900万円 約980万円
26~30年目 外構修繕、室内設備修理など 約180万円 約230万円
30年目までの合計 約1,790万円 約2,170万円

参考:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」

一般的に修繕費の積立金の目安は、築年数に応じた建築費の割合で見込んでおくのがよいとされます。具体的な毎年の積立額は、築10年以下が建築費の約0.3%、築10~20年で約0.5%、21年以降で約1.0%です。

定期的な点検を行い、小さな傷みのうちに直しておくことが、将来の大きな出費を抑えるコツです。

⑧空室対策の徹底

空室を避けることはアパート経営の成功に欠かせません。空室をゼロに近づけるための対策は、「建てる前」と「建てた後」の両方で必要になります。

・建てる前の対策: 徹底的な立地選定や競合分析を行い、ターゲットのニーズに合致した間取りや最新設備を導入して「選ばれる理由」を明確にします。
・建てた後の対策: 築年数が経過しても魅力を維持できるよう、適宜リノベーションや設備のグレードアップを検討しましょう。また、1社に絞らず複数の仲介会社へ客付けを依頼するなど、露出を増やす工夫も大切です。

時代の変化に合わせて物件の価値をアップデートし続けることが、長期入居への近道です。

⑨専門家との連携

アパート経営は、法律・税務・建築・金融など多岐にわたる知識が求められるため、すべてを1人でこなすのは困難です。失敗を未然に防ぎ、経営の質を維持するためには、各分野の専門家を味方につける必要があります。

税理士: 節税を考慮した土地活用の検討や、経営中の確定申告・納税アドバイス
弁護士: 入居者とのトラブルや、事業者との契約に関する法的サポート
ファイナンシャルプランナー: 長期的な資金計画や収支シミュレーションの作成

「どこに相談すればいいか迷う」という場合は、まずは全体を統括してくれる信頼できる不動産会社を窓口にするのがおすすめです。状況に応じて、最適な専門家との橋渡し役を担ってくれます。

アパート経営を検討する上でよくある質問


アパート経営の検討を始めると、収益性以外にも運用面や資金面でさまざまな疑問が湧いてくるものです。ここでは、多くの方が不安に感じやすいポイントをQ&A形式でまとめました。

Q1. アパート経営に向いた立地条件は?

一般的には駅徒歩10分圏内が理想的です。ただし、駅からの距離だけでなく、スーパーや公園などの生活利便性、ターゲットがファミリー層なら静かな環境が好まれることもあります。

もし駅から遠い立地であっても、物件のデザインや設備で差別化を図ったり、一戸建て賃貸として展開したりすることで、十分に集客は可能です。

Q2. サラリーマンでもアパート経営はできる?

本業をもつ方でも副業としてアパート経営が可能です。アパート経営は、管理会社に委託することで運営の手間を押さえることができ本業と両立しやすいという特徴があります。自身のアパート経営に割ける時間を考慮し、両立できる管理体制を検討することが大切です。

ただし、会社によってはアパート経営などの副業が禁止されている場合があります。事前に会社の規定を確認し、適切に報告、申請しながらアパート経営をおこなうようにしましょう。

Q3. 必要な自己資金はいくら?

一般的には、建築費の10~30%が自己資金の目安です。たとえば、6,000万円のアパートであれば600~1,800万円ほどを自己資金で用意しておくと安心です。

自己資金が小さすぎると、高額な借入による返済の負担増や突発的な支出に対応できないなど、キャッシュフローが悪化しやすくなります。十分な自己資金があれば、いざというときに対応しやすく、事業性が安定します。

しかし、自己資金を投入し過ぎると生活に影響が出る恐れもあるので、自己資金状況を正確に把握し適切な額を投資することが大切です。

Q4. 相続税対策として有効?

有効です。資産を現金ではなく不動産として所有することで相続税評価額が下がるため、節税効果が期待できます。

しかし、節税だけを目的にアパート経営をおこなうと、本来の経営で赤字になるなど失敗もしやすくなるので注意が必要です。特に近年、行き過ぎた節税策には厳しい目が向けられています。2026年度(令和8年度)税制改正大綱では、アパート・賃貸マンション等の貸付用不動産について「相続開始前5年以内に取得・新築した場合は取引価額ベースで評価する」いわゆる5年ルールが盛り込まれており、2027年1月以降の相続から適用される予定です。

また、相続税の節税効果はほかの資産状況にも左右されるため、税理士にアドバイスをもらいながら検討することをおすすめします。

Q5: サブリース契約は利用すべき?

「空室に関わらず家賃が保証される」「管理の手間が省ける」という大きなメリットがある一方、定期的な家賃の見直し(減額)や手数料負担といったリスクもあります。

契約内容や将来の条件を正しく理解し、信頼できる事業者を選べるのであれば、初心者の方にとって心強い選択肢となります。

Q6: 競合物件に負けないための差別化はどうすれば良い?

周辺の似たような物件と同じ間取り・設備にすると、最終的には「家賃の下げ合い」になってしまいます。大切なのは、「この家だから住みたい」と思わせる独自性です。

ヒノキヤでは、従来の木造アパートのイメージを塗り替える、高い耐震性と洗練されたデザインを両立した木造アパート「LEGNO(レグノ)」を提供しています。木造の温かみを活かしつつ、先進の性能で周辺物件に差をつける「選ばれるアパート」をご提案します。
>>ヒノキヤの木造アパート/LEGNOを見る

まとめ

アパート経営は一概に「儲からない」と言えるものではありません。データが示す通り、しっかりとした利益を出して成功しているオーナー様は数多く存在します。

一方で、空室や家賃下落、修繕費の増加といったリスクに対し、準備不足や見通しの甘さがあるまま始めてしまうと、失敗を招く可能性があることも事実です。アパート経営を成功させるポイントは、以下の3点に集約されます。

・客観的なデータに基づいた「立地選定」と「収支計画」
・ターゲットに選ばれる「物件の差別化」
・長期的な視点での「修繕・メンテナンス計画」

これらを1人で完璧にこなすのは容易ではありません。調査からプランニング、その後の管理までトータルで頼れる信頼できるパートナーを見極めることが、成功への鍵となります。

本記事で解説したポイントを参考に、まずは信頼できる不動産会社へ相談することから始めることをおすすめします。

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