⼟地活⽤・賃貸経営コラム
公開日:2025.11.28
最終更新日:2025.11.30
土地のみの固定資産税はなぜ高い?計算方法と節税方法を解説
目次
- 土地のみの固定資産税が高い理由
- 土地のみは建物がある場合の3~6倍高くなる
- 高くなるのは「住宅用地の特例」が適用されないから
- 建物を建てても建物部分の固定資産税はかかる
- 都市計画税も土地のみだと高くなる
- 土地のみの固定資産税の計算方法
- ステップ1|固定資産税評価額を確認する
- ステップ2|課税標準額を算出する
- ステップ3|固定資産税を計算する
- 3パターンの計算シミュレーション
- パターン1|更地50坪(評価額1,500万円)
- パターン2|駐車場として利用中(評価額2,000万円)
- パターン3|建築中の土地(評価額2,500万円)
- 土地のみの固定資産税の負担をおさえる方法
- 住宅を建てる
- 賃貸住宅を建てる
- 駐車場を経営する
- 農地に転用する
- 売却する
- 解体のタイミングを調整する
- 土地のみの固定資産税にかかわるQ&A
- Q1. 建築中の土地の固定資産税はどうなる?
- Q2. 駐車場にしたら固定資産税は安くなる?
- Q3. 相続した土地の固定資産税は誰が払う?
- 土地のみの固定資産税で知っておくべき注意点
- 注意点1|建物を解体すると税額が急増する
- 注意点2|都市計画税も合わせて考える必要がある
- 注意点3|固定資産税は変動する
- まとめ
土地を所有していると毎年固定資産税がかかります。とくに、土地のみの場合、建物のある土地よりも固定資産税が高くなるため、更地の税額が想像以上に高くて驚いた、建物を解体したら税負担が急増してしまった、といった悩みを抱える方は少なくありません。
土地のみの固定資産税は、建物がある場合に比べて3〜6倍も高くなることがあります。しかし、適切な知識と対策をもつことで、税負担を軽減することが可能です。
この記事では、更地や駐車場を所有している方、建物の解体を検討している方、相続などで土地を取得した方に向けて、土地のみの固定資産税が高い理由や具体的な計算方法、効果的な節税方法などを分かりやすく解説していきます。実際の計算シミュレーションも交えながら、あなたの土地に最適な対策を見つけるお手伝いをします。
土地のみの固定資産税が高い理由

固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人に課税される税金です。毎年1月1日時点で不動産を所有している人が納税義務者となり、年に一度課税されます。
不動産を所有する以上、固定資産税は避けられないランニングコストです。そのため、年間でどれくらいの税負担が発生するのかを把握し、長期的な資金計画を立てることが重要になります。
とくに、土地のみを所有している場合は「住宅用地の特例」という税制優遇が適用されないため、建物が建っている土地よりも税額が大幅に高くなる点に注意が必要です。
では、具体的にどれくらい高くなるのか、なぜ高くなるのかを詳しく見ていきましょう。
土地のみは建物がある場合の3~6倍高くなる
土地のみの固定資産税は、建物が建っている土地と比べて3〜6倍も高くなります。この差は、住宅用地の特例による軽減率の違いから生まれるものです。
具体例で見てみましょう。固定資産税評価額が2,000万円の土地の場合、更地のままだと年間の固定資産税は約28万円になります。一方、同じ土地に建物が建っていれば、土地の固定資産税は約4.6万円まで下がります。その差は年間で約24万円です。
この差額が10年続けば240万円、20年では480万円にもなります。長期的に見ると、税負担の差は非常に大きなものになります。だからこそ、更地を所有している方は、早めに対策を検討することが大切です。
高くなるのは「住宅用地の特例」が適用されないから
住宅用地の特例とは、居住用の建物が建っている土地の固定資産税を大幅に減税する制度です。この制度は、住宅供給の促進と土地の有効活用を目的として設けられた優遇措置で、適用されると以下のように固定資産税評価額が減額されます。
| 区分 | 対象 | 軽減額 |
| 小規模住宅用地 | 敷地面積200㎡までの部分 | 固定資産税評価額×1/6 |
| 一般住宅用地 | 敷地面積200㎡超の部分 | 固定資産税評価額×1/3 |
たとえば、敷地面積が300㎡の土地の場合、200㎡までの部分は固定資産税評価額が6分の1に、残りの100㎡は3分の1に減額されます。固定資産税は評価額をもとに計算されるため、評価額が下がれば税額も大きく下がる仕組みです。
一方、建物のない土地にはこの特例が適用されません。つまり、軽減措置を受けられない本来の税額で課税されることになります。そのため、6分の1または3分の1に軽減される場合と比べて、3〜6倍の税額になってしまうのです。
更地だから税額が高くなるというより、建物があるから税額が下がるという理解が正確です。更地は本来の税額で課税されているだけであり、ペナルティとして税額が上乗せされているわけではありません。
建物を建てても建物部分の固定資産税はかかる
固定資産税は土地だけでなく、建物にも課税される税金です。そのため、建物を建てれば土地の固定資産税は軽減されますが、新たに建物に対する固定資産税が発生する点には注意が必要です。
具体的な数字で見てみましょう。固定資産税評価額1,500万円の土地を更地で所有している場合、年間の税額は約21万円です。ここに評価額2,000万円の建物を建てると、土地の固定資産税は約3.5万円まで下がります。しかし、建物に対して約28万円の固定資産税が新たに課税されるため、土地と建物を合わせたトータルの税負担は約31.5万円になります。
このように、建物を建てることで土地の税額は大幅に下がりますが、トータルの税負担は必ずしも3〜6倍の差にはなりません。むしろ、建物の評価額によっては更地の時よりも税負担が増えるケースもあります。
そのため、節税目的で建物の建築を検討する場合は、土地だけでなく建物の固定資産税も含めたトータルの税額をシミュレーションすることが大切です。また、建物を建てることで得られる収益や居住の利便性なども総合的に判断する必要があります。
都市計画税も土地のみだと高くなる
都市計画税とは、市街化区域内の土地および建物に課税される税金です。固定資産税と同じく、毎年1月1日時点の不動産所有者が納税義務者となり、固定資産税と合わせて年に一度課税されます。税率は0.3%以下で、多くの自治体では上限の0.3%が適用されています。
都市計画税についても、住宅用地の特例による軽減措置が設けられています。建物が建っている土地には以下のような軽減が適用されます。
| 区分 | 対象 | 軽減額 |
| 小規模住宅用地 | 敷地面積200㎡までの部分 | 固定資産税評価額×1/3 |
| 一般住宅用地 | 敷地面積200㎡超の部分 | 固定資産税評価額×2/3 |
固定資産税と比べると軽減率は小さいものの、それでも建物がある土地は評価額が3分の1または3分の2に減額されます。
都市計画税は固定資産税と比べて税率が低いため、税額自体はそれほど大きくありません。しかし、固定資産税と合わせて毎年課税されるため、長期的には無視できない負担となります。土地のみを所有している場合は、固定資産税だけでなく都市計画税も含めたトータルの税負担を把握しておくことが重要です。
土地のみの固定資産税の計算方法

不動産を所有する際には、固定資産税がいくらになるかを事前にシミュレーションしておくことが重要です。固定資産税の計算方法は比較的シンプルで、基本的な知識があれば自分でも計算できます。税額を把握しておくことで、資金計画が立てやすくなり、予期せぬ出費に慌てることもなくなるでしょう。
以下では、土地のみの固定資産税を算出する3つのステップを、順を追って解説していきます。
ステップ1|固定資産税評価額を確認する
固定資産税評価額とは、土地や建物それぞれに設定された個別の評価額のことです。これは各自治体が不動産ごとに決定する金額で、固定資産税や都市計画税、不動産取得時の登録免許税といったさまざまな税金を計算する基礎となります。
固定資産税評価額を確認する最も簡単な方法は、毎年4月から6月頃に送付される固定資産税納税通知書に同封されている課税明細書を見ることです。課税明細書には土地や建物の評価額が明記されています。
もし課税明細書が手元にない場合は、自治体の窓口で固定資産評価証明書を取得することで確認できます。また、固定資産税路線価が公開されている地域であれば、「路線価×土地面積」で概算することも可能です。
参考までに、土地の固定資産税評価額は公示地価(国が発表する土地の標準的な価格)の約7割程度が目安とされています。ただし、固定資産税評価額は3年に1度評価替えが行われるため、地価の変動に応じて金額が変わる点には注意が必要です。直近の評価替えは2024年に行われており、次回は2027年に予定されています。
ステップ2|課税標準額を算出する
課税標準額とは、実際に税金を計算する際の基礎となる金額です。固定資産税は、この課税標準額に税率を掛けることで算出されます。
課税標準額は固定資産税評価額に各種の特例や調整措置を適用した後の金額となるため、固定資産税評価額と必ずしも同じにはなりません。建物の場合は固定資産税評価額と同額になるケースが多いですが、土地の場合は課税標準額が評価額よりも低くなるのが一般的です。
建物のない土地の場合、固定資産税評価額に「負担調整措置」が適用されます。これは、地価が急上昇した際に税負担が急激に増えすぎないよう、段階的に調整する仕組みです。具体的には、当年度の課税標準額が前年度と比べてどの程度の水準にあるかを示す「負担水準」に応じて、税額の上昇を緩やかにしたり、逆に低すぎる場合は引き上げたりする調整が行われます。
実務上、多くのケースで負担調整後の課税標準額は固定資産税評価額の約70%になります。そのため、簡易的な計算では「固定資産税評価額×0.7」として課税標準額を算出するとよいでしょう。ただし、地域や土地の状況によって異なる場合もあるため、正確な金額は課税明細書で確認することをおすすめします。
ステップ3|固定資産税を計算する
課税標準額が分かれば、あとは税率を掛けることで固定資産税を計算できます。固定資産税の計算式は以下のとおりです。
固定資産税=課税標準額×1.4%(標準税率)
多くの自治体では標準税率である1.4%が採用されています。ただし、自治体によっては1.4%以外の税率を設定している場合もあります。
また、市街化区域内の土地の場合は、固定資産税に加えて都市計画税も課税されます。都市計画税は同じ課税標準額に0.3%以下の税率を掛けて算出します。
都市計画税=課税標準額×0.3%(制限税率)
0.3%は法律で定められた上限値(制限税率)であり、実際の税率は自治体によって異なります。多くの自治体では上限の0.3%を採用していますが、それより低い税率を設定している自治体もあります。
3パターンの計算シミュレーション
ここでは、実際の土地を想定した3つのパターンで固定資産税と都市計画税を具体的に計算していきます。
パターン1|更地50坪(評価額1,500万円)
まずは、固定資産税評価額1,500万円の50坪(約165㎡)の更地を例に計算してみます。これは一般的な住宅用地の広さに相当する土地です。
負担調整率を70%として課税標準額を算出すると、1,500万円×0.7=1,050万円となります。この課税標準額をもとに固定資産税と都市計画税を計算すると、以下のようになります。
- 固定資産税:1,050万円×1.4%=14.7万円
- 都市計画税:1,050万円×0.3%=3.1万円
- 合計税額:14.7万円+3.1万円=17.8万円
年間で約18万円の税負担となるため、月額に換算すると約1.5万円です。この金額が毎年継続的に発生することを考えると、決して小さくない負担といえるでしょう。
パターン2|駐車場として利用中(評価額2,000万円)
次に、駐車場として活用している固定資産税評価額2,000万円の土地で計算してみます。駐車場は建物ではないため、住宅用地の特例は適用されません。
負担調整率70%として課税標準額を算出すると、2,000万円×0.7=1,400万円です。この場合の固定資産税と都市計画税は以下のようになります。
- 固定資産税:1,400万円×1.4%=19.6万円
- 都市計画税:1,400万円×0.3%=4.2万円
- 合計税額:19.6万円+4.2万円=23.8万円
年間で約24万円の税負担となりますが、駐車場経営を行っている場合は賃料収入があるため、その収入で税金を賄うことができます。
たとえば、月額賃料が1台あたり1万円で5台分の駐車スペースがあり、稼働率が80%だとします。この場合の年間収入は、5台×1万円×12ヵ月×80%=48万円となります。ここから固定資産税・都市計画税の23.8万円を差し引いても、24.2万円が手元に残ります。さらに、電気代や舗装のメンテナンス費用などで年間10万円かかったとしても、14万円程度のプラスになる計算です。
このように、駐車場経営は税負担を賄いながら収益を生み出せる可能性がある活用方法といえます。
パターン3|建築中の土地(評価額2,500万円)
建物を建築中の土地は、建築前と建築後で固定資産税が変わるため注意が必要です。
固定資産税は毎年1月1日時点の状況で課税されます。そのため、1月1日時点で建物がまだ完成していない場合、その年は土地のみとして住宅用地の特例なしで課税されます。一方、建物が完成した翌年からは土地に住宅用地の特例が適用されますが、同時に建物に対する固定資産税も新たに課税されることになります。
まず、建築前の固定資産税・都市計画税を計算してみましょう。土地の面積は40坪(約133㎡)、固定資産税評価額は2,500万円とします。課税標準額は2,500万円×0.7=1,750万円となり、税額は以下のようになります。
- 固定資産税:1,750万円×1.4%=24.5万円
- 都市計画税:1,750万円×0.3%=5.2万円
- 合計税額:24.5万円+5.2万円=29.7万円
次に、建物が完成した後の税額を計算してみます。建築した建物の固定資産税評価額を3,000万円と仮定します。
建物が完成すると、土地には住宅用地の特例が適用され、課税標準額が2,500万円×1/6=約416万円に大幅に下がります。また、新築一戸建ての場合、床面積が50㎡以上280㎡以下などの一定要件を満たすと、固定資産税評価額が3年間(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年間)2分の1になる特例が適用されます。
この特例を適用した場合の土地と建物の税額は以下のとおりです。
| 固定資産税 | 都市計画税 | 合計税額 | |
| 土地 | 416万円×1.4%=5.8万円 | 416万円×0.3%=1.2万円 | 7万円 |
| 建物 | 1,500万円×1.4%=21万円 | 3,000万円×0.3%=9万円 | 30万円 |
よって、建築後の固定資産税・都市計画税の合計は37万円となります。
建築前の29.7万円と比べると、土地の税額は24.5万円から5.8万円へと大幅に軽減されています。しかし、建物の税額30万円が新たに加わるため、トータルでは税負担が7.3万円増加していることが分かります。
ここで注意が必要なのは、新築特例の適用期間が終了した後です。3年後には建物の固定資産税が2倍になるため、42万円に増加します。建物の都市計画税と土地の税額と合わせると年間58万円の税負担となり、建築前の約2倍になる計算です。
このように、建物を建てることで土地の税額は下がりますが、トータルの税負担は必ずしも減るわけではありません。長期的な税負担を見据えた資金計画が重要です。
土地のみの固定資産税の負担をおさえる方法

固定資産税は毎年継続的に課税される税金であるため、少しでも税負担を軽減できれば、長期的には大きな節約につながります。更地のまま放置していると、本来受けられる軽減措置を受けられず、無駄な税負担が続いてしまいます。
ここでは、土地のみの固定資産税負担をおさえる6つの方法を、それぞれのメリットとデメリットを含めて紹介していきます。ご自身の状況に合った方法を見つける参考になれば幸いです。
住宅を建てる
自分が住むための住宅を建てることは、固定資産税を軽減する最も効果的な方法です。住宅を建築すれば住宅用地の特例が適用されるため、土地の固定資産税は最大6分の1に、都市計画税は最大3分の1に軽減されます。
ただし、住宅を建てるには数千万円単位の初期費用が必要となります。また、建物が完成すれば建物自体にも固定資産税が課税されるため、土地と建物を合わせたトータルの税負担は必ずしも大幅に減るわけではありません。さらに、住宅の維持管理費用や修繕費用なども継続的に発生します。
そのため、この方法は実際にその土地に住む予定がある場合や、建築費用を含めた資金計画に余裕がある場合に適した選択肢となります。
賃貸住宅を建てる
住宅用地の特例は、自分が住むマイホームだけでなく、アパートやマンション、賃貸戸建、賃貸併用住宅などの賃貸用住宅でも適用されます。そのため、自分で住む予定がない土地でも、賃貸住宅を建てることで固定資産税の軽減が可能です。
賃貸住宅を建てる最大のメリットは、節税と収益化を同時に実現できる点にあります。土地の固定資産税が軽減されるだけでなく、入居者から得られる家賃収入によって、建物の固定資産税や維持費用を賄いながら安定的な収益を得ることができます。うまく経営できれば、固定資産税を支払ってもなお、毎月プラスの収入を得られる可能性があります。
一方で、収益性は立地や周辺の賃貸需要、近隣の競合物件の状況などに大きく左右されます。また、空室リスクや入居者トラブル、建物の老朽化による修繕費用なども考慮する必要があります。
そのため、賃貸住宅を建てる際には、事前に市場調査を行い、その土地に適した建物の種類や間取り、家賃設定などを慎重に検討することが重要です。土地活用によって収益を得たい方や、不動産経営に興味がある方には、検討する価値のある選択肢といえるでしょう。
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駐車場を経営する
前述のとおり、駐車場では住宅用地の特例は適用できないため、直接的な節税効果はありません。しかし、駐車場経営によって賃料収入を得られるため、その収入で固定資産税を賄うことができ、結果として税負担の軽減が期待できます。
駐車場経営の大きなメリットは、建物を建築する必要がないため、比較的少ない初期費用でスタートできる点です。また、将来的に別の用途に転用しやすいという柔軟性もあります。
そのため、将来的な土地活用の方向性が定まっていない場合や、一時的な土地活用を検討している場合にもおすすめの方法といえます。
ただし、駐車場経営には注意点もあります。まず、立地によって需要が大きく左右されるため、駅から遠い場所や車の利用が少ない地域では収益が見込めない可能性があります。また、収益性は賃貸住宅経営と比べて一般的に低くなります。
そのため、駐車場経営は固定資産税を賄える程度の収益が得られれば十分という場合や、大きな収益性を求めない場合に適した選択肢といえるでしょう。
農地に転用する
農地の固定資産税は、宅地と比べて大幅に低くなるのが一般的です。これは、農地が宅地として自由に利用できない制約があり、評価額が宅地よりも低く設定されるためです。
活用予定がなく、将来的にも宅地として利用する見込みが低い場合、農地に転用することで固定資産税の負担を大きく軽減できるでしょう。
ただし、農地転用には注意すべき点がいくつかあります。まず、農地であっても種類によって税負担は異なります。市街化区域内の農地など、固定資産税評価に「宅地並み評価」が用いられる農地の場合、農地評価よりも税負担が大きくなり、期待したほどの節税効果が得られない可能性があります。
また、農地転用は農業委員会への申請が必要であり、さまざまな要件を満たす必要があります。手続きのハードルが高く、時間もかかる点には注意が必要です。
さらに、一度農地に転用すると、将来再び宅地として利用したい場合には再度転用申請が必要になります。また、農地は宅地と比べて売却しにくくなるため、将来的な資産の流動性が低下するというデメリットもあります。
このように、農地転用は税負担を大きく軽減できる可能性がある一方で、活用の制限や手続きの複雑さなど、慎重に検討すべき点も多い選択肢といえます。
売却する
今後も活用する予定がないのであれば、土地を売却してしまうのも有効な選択肢の一つです。
活用していない土地を所有し続けると、固定資産税や都市計画税といった税負担が毎年発生し続けます。また、雑草の除去や不法投棄の監視など、管理の手間やコストもかかります。売却することで、こうした税負担や管理の手間から完全に解放され、同時にまとまった資金を得ることができます。
ただし、売却には慎重な判断が必要です。一度売却してしまうと、その土地を取り戻すことは事実上不可能になります。将来的に自分や家族が住宅を建てる可能性がある場合や、賃貸住宅を建てて安定的な収益を得る機会を検討したい場合など、長期的な視点で考えることが大切です。
また、売却のタイミングによっては、思ったような価格で売れない可能性もあります。不動産市況や周辺の開発状況なども考慮しながら、適切な時期を見極めることが重要です。売却を検討する際には、複数の不動産会社に査定を依頼し、市場価格を把握したうえで判断するとよいでしょう。
解体のタイミングを調整する
すでに建物が建っているものの老朽化などで解体を検討している場合、解体のタイミングを工夫することで税負担の増加を防ぐことができます。
固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日の状況に基づいて課税されます。そのため、1月1日時点で建物が存在していれば、その年は住宅用地の特例が適用された税額で課税されます。仮に1月2日に解体したとしても、その年の固定資産税には影響しません。
この仕組みを活用すれば、税負担を最小限に抑えることができます。たとえば、1月2日以降に建物を解体し、次の年の1月1日までに新しい建物を建築すれば、解体から建築までの期間中も特例が適用された税額のままで済みます。つまり、税負担が増えることなく建て替えを進められるのです。
解体のタイミングを調整する際には、次の土地活用のスケジュールを計画しておくことが重要です。建て替えの場合は建築会社と工程を確認し、売却の場合は不動産会社と販売計画を立てるなど、1月1日までに対応できる見通しを立ててから解体に踏み切るようにしましょう。
土地のみの固定資産税にかかわるQ&A

ここでは、土地のみの固定資産税に関してよくいただく質問について、回答していきます。
Q1. 建築中の土地の固定資産税はどうなる?
建物が建築中の場合、固定資産税の課税基準日である1月1日時点で建物が完成していなければ、その土地は「土地のみ」として扱われます。そのため、住宅用地の特例は適用されず、更地と同じ税額で課税されることになります。
住宅用地の特例が適用されるのは、建物が完成し、かつ登記が完了してからです。つまり、建物の完成時期が12月なのか1月なのかで、その年の土地の固定資産税が大きく変わってしまいます。たとえば、12月中に完成すれば翌年から特例が適用されますが、1月にずれ込むと適用が1年遅れることになります。
土地の固定資産税の軽減を早期に実現したい場合は、年内の完成を目指してスケジュールを計画することをおすすめします。
Q2. 駐車場にしたら固定資産税は安くなる?
残念ながら、土地を駐車場として活用しても固定資産税は安くなりません。住宅用地の特例は、あくまで居住用の建物が建っていることが適用条件となっており、駐車場や倉庫、事務所などは対象外です。
そのため、駐車場として活用しても、固定資産税の税額自体は更地の時と変わらず、軽減効果は期待できないのです。
ただし、駐車場経営には別のメリットがあります。駐車場は建物を建てる必要がないため初期費用を抑えて収益化できる活用方法です。立地条件が良ければ、駐車場の賃料収入で固定資産税を賄うことができ、さらに収益を上げられる可能性もあります。
Q3. 相続した土地の固定資産税は誰が払う?
相続した土地の固定資産税は、相続が発生したタイミングによって納税義務者が変わります。固定資産税の納税義務者は毎年1月1日時点の所有者と定められているため、被相続人(亡くなった方)が亡くなった日と1月1日との関係で判断されます。
1月2日以降に被相続人が亡くなった場合、その年の1月1日時点ではまだ被相続人が所有者だったため、その年の納税義務者は被相続人となります。被相続人がすでに固定資産税を全額支払っていれば問題ありませんが、未納の場合は相続人が納税義務を引き継ぐことになります。
遺産分割協議や遺言によって新しい所有者が決まれば、その所有者が納税義務を負います。一方、年をまたいでも新しい所有者が決まっていない場合、翌年の1月1日時点では相続人全員が共有している状態となるため、その年の納税義務者は相続人全員となります。
土地のみの固定資産税で知っておくべき注意点

土地のみの固定資産税を考えるうえで押さえておくべき注意点がいくつかあります。知らずに対応すると予想外の税負担が発生する可能性もあるため、事前に理解しておくことが大切です。
最後に、特に注意すべき3つのポイントを解説していきます。固定資産税の計算や節税対策を検討する際の参考にしていただければと思います。
注意点1|建物を解体すると税額が急増する
土地の固定資産税を軽減する住宅用地の特例は、居住用の建物が建っていることが適用条件です。そのため、建物を解体してしまうと特例が適用できなくなり、土地の固定資産税が3〜6倍に急増してしまいます。
固定資産税の課税基準日は毎年1月1日であるため、1月1日時点で建物が存在していれば、その年は住宅用地の特例が適用されます。つまり、1月2日以降に解体すれば、その年の固定資産税は特例が適用された税額のままで済みます。
反対に、12月中に解体してしまうと、翌年の1月1日時点では更地となっているため、翌年から固定資産税が急増することになります。解体のタイミングには十分な注意が必要です。
建物の解体を検討している場合は、課税基準日や解体後の活用予定も考慮してタイミングを決めるとよいでしょう。
注意点2|都市計画税も合わせて考える必要がある
土地に課税される税金は固定資産税だけではありません。市街化区域内に土地を所有している場合は、固定資産税に加えて都市計画税も課税されます。そのため、税額の計算や節税対策を検討する際には、両方の税金を合わせて考えることが大切です。
都市計画税の税率は0.3%以下と固定資産税(1.4%)と比べて低いため、見落とされがちですが、長期的には無視できない負担となります。たとえば、固定資産税が年間20万円の土地であれば、都市計画税は約4〜5万円程度かかる計算になります。
固定資産税だけでなく都市計画税も含めたトータルの税負担を把握し、より正確な資金計画を立てるようにしましょう。
注意点3|固定資産税は変動する
前述したように、固定資産税評価額は3年に一度評価替えされるため、地価の増減などで税額が変わる可能性があります。また、新築建物は3年間特例により評価額が軽減されますが、3年を経過すると特例の対象外となり税負担が増えます。
このように、固定資産税は変動するため、最新の評価額や税率、適用される特例などを確認したうえで、税額をシミュレーションすることが大切です。
まとめ
ここまで、土地のみの固定資産税が高くなる理由や具体的な計算方法、効果的な税負担の軽減方法などを詳しく解説してきました。
土地のみの固定資産税が高くなる最大の理由は、「住宅用地の特例」が適用されないことにあります。居住用の建物が建っていない土地は、建物がある土地と比べて固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍も高くなり、年間で数十万円の差が生まれます。
税負担を軽減するための最も効果的な方法は、土地を有効に活用することです。自分が住むための住宅を建てる、賃貸住宅を建てて収益を得る、駐車場として経営するなど、土地の立地や広さに応じた活用方法を選ぶことで、税負担を大きく軽減できます。
活用が難しい場合は売却も選択肢の一つですが、将来的に土地活用によって収益を得るチャンスを失うことになります。今は活用しにくいと思っていても、周辺環境の変化によって有効活用できる可能性は十分にあります。
まずは土地の状況や税額を整理したうえで専門家に相談しながら、土地活用を検討してみることをおすすめします。

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