⼟地活⽤・賃貸経営コラム

公開日:2026.01.28

最終更新日:2026.01.28

アパート・マンション経営節税対策

アパート経営で節税できる仕組みと効果|他の不動産投資との比較も解説

「アパート経営で節税できる」と聞いて、興味をお持ちの方も多いはずです。アパート経営は、仕組みを賢く活用することで、所得税や住民税、さらには将来の相続税まで大幅に軽減できる強力な手段となります。

しかし、仕組みを正しく理解せずに始めると、期待した効果が得られないばかりか、経営そのものが赤字に陥るリスクもあります。

この記事は、手取り収入を増やしたい会社員や資産を賢く守りたい地主の方に向けて、節税の具体的な仕組みから、失敗を防ぐためのリスク対策までを網羅して解説します。読み終える頃には、ご自身にとってアパート経営が本当に有効な節税策になるのか、その判断基準が明確になるはずです。

アパート経営の節税について、お気軽にご相談ください。

アパート経営で節税できる税金の種類

アパート経営は、資産を現金ではなく不動産として保有・運用することで、さまざまな税制上の優遇を受けられます。

対象となる税金は、日々の運営で発生する所得税・住民税、資産を持ち続ける限りかかる固定資産税・都市計画税、将来の世代へ資産を引き継ぐ際の相続税など多岐にわたります。

具体的にどのような仕組みでこれらの負担が軽減されるのか、4つのカテゴリーに分けて見ていきましょう。

①所得税・住民税の節税

個人でアパート経営を行う場合、その利益は給与所得など他の所得と合算して計算されます(総合課税)。所得税は所得が高いほど税率が上がる累進課税制度のため、高所得者ほど税負担が重くなる仕組みです。

ここでポイントとなるのが、アパート経営で発生した赤字を給与所得から差し引ける損益通算です。

損益通算で税金を還付・減額させる

アパート経営では、実際の支出を伴わない減価償却費などの経費を計上することで、帳簿上の利益を赤字にできる場合があります。

所得税: 確定申告により、給与から天引き(源泉徴収)されていた税金の一部が還付金として戻ってきます。
住民税: 所得確定後の翌年の納税額が抑えられます。

具体的な節税イメージ
たとえば、給与所得が600万円の人が、アパート経営で100万円の赤字を計上した場合を考えてみましょう。

損益通算前:600万円に対して課税
損益通算後:600万円 - 100万円 = 500万円に対して課税

このように、課税対象となる所得が減るため、支払う税金が安くなります。所得税は年収が高いほど税率が上がる累進課税のため、高所得者ほどこの圧縮効果は大きくなります。

さらに節税効果を高める方法
単に赤字をぶつけるだけでなく、以下のような手法を組み合わせることで、さらに手残りの現金を増やすことが可能です。

青色申告: 最大65万円の特別控除を受けられる。
法人化: 所得が一定以上の場合は、個人(所得税)よりも法人(法人税)として運営した方が税率を低く抑えられる。

②相続税の節税

相続税は、亡くなった人の財産総額に対して課せられます。アパート経営が相続税対策に有効なのは、資産を現金で持っているよりも、相続税評価額(税金の計算基準となる価値)を大幅に圧縮できるからです。評価が下がる仕組みには、主に以下の2つのステップがあります。

現金から不動産への組み替え:現金は額面の100%で評価されますが、不動産(土地・建物)は時価の7〜8割程度で評価されるのが一般的です。これだけで2〜3割の評価減になります。

貸家建付地としての評価:アパートは他人に貸しているため、オーナーが自由に使えない制約が生じます。その分、自分で住む家を建てるよりも評価額がさらに数割引き下げられます。

さらに強力なのが小規模宅地等の特例です。一定の要件を満たせば、アパートが建っている土地のうち200㎡までの部分の評価額を50%減額できます。

現金をそのまま残すよりも、アパートという形に変えておくことで、次世代への資産承継にかかるコストを抑えることが可能になります。

③固定資産税・都市計画税の軽減

土地は所有しているだけで、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。特に使い道のない更地の状態は、税負担が最も重いのが現状です。しかし、その土地にアパートを建てることで、土地にかかる税金が大幅に安くなる「住宅用地の特例」が適用されます。

アパート(居住用建物)を建てた土地は、評価額が以下のように軽減されます。

固定資産税: 評価額が最大で 1/6 に軽減
都市計画税: 評価額が最大で 1/3 に軽減
※200㎡までの「小規模住宅用地」の場合

よくある土地活用として駐車場や倉庫がありますが、これらは居住用ではないため税制上の優遇はありません。 節税を第一に考えるのであれば、駐車場経営よりもアパート経営の方が土地にかかる固定資産税と都市計画税を抑えることができます。

④その他の税制優遇

その他の税制優遇の1つとして、不動産取得税の軽減があります。不動産取得税は、物件を購入・新築した際に一度だけかかる税金です。通常、不動産の評価額に対して4%の税率で課税されます。

ただし、令和9年(2027年)3月31日までに取得した土地・家屋は、税率が4%から3%へと軽減されます。さらに、一定条件を満たせば評価額から1,200万円の控除が適用されるため、アパート建築において非常に強力な節税メリットとなります。

不動産取得税以外にも、登記にかかる税金である登録免許税や契約書にかかる税金の印紙税は時限的に優遇措置があります。また、断熱性能の高い「ZEH(ゼッチ)」基準のアパートを建築することで国や自治体からの補助金を受けられる可能性があります。

アパート経営が節税になる3つの仕組み

アパート経営で節税できる税金の種類が分かったところで、次は「なぜそれほどまでに税金が安くなるのか」という具体的な仕組みを見ていきましょう。

前述した各種税金の優遇措置は、アパート経営特有の会計上のルールや資産評価の仕組みを賢く活用することで成り立っています。

所得税・相続税・固定資産税のそれぞれにおいて、節税メリットを生み出している仕組みを解説します。

仕組み①:減価償却×損益通算で所得税を圧縮

アパート経営による所得税・住民税の節税は、実際にはお金が出ていかない経費を活用して、帳簿上の利益を低く見せることで実現します。

減価償却は支出を伴わない会計上の費用
減価償却とは、建物の購入費用を一括で経費にするのではなく、法律で定められた期間(耐用年数)に分けて少しずつ計上するルールです。

例: 5,000万円で購入したアパート(耐用年数10年の場合)
処理: 購入年に5,000万円を引くのではなく、毎年500万円ずつを10年間にわたって経費として計上します。

この減価償却費の最大の特徴は、帳簿上の経費であって、実際にはお金を支払っていない点にあります。そのため、手元に現金は残っているのに、計算上は赤字という状態を作ることが可能になります。

損益通算で課税所得を減らす
アパート経営で作った「計算上の赤字」は、会社員としての給与所得など、他の黒字所得から差し引くことができます。これを損益通算と呼びます。合算した結果、全体の所得が低くなるため、結果として所得税や住民税を圧縮できます。

注意点:効果には期限がある
減価償却費を計上できるのは、建物の耐用年数が切れるまでです。期間を過ぎると経費が急減し、逆に税負担が増える可能性があるため、事前に「いつまで・いくら」節税できるかのシミュレーションが欠かせません。

仕組み②:評価額の組み替えで相続税を圧縮

相続税は、亡くなった時の財産がいくらと評価されるか(相続税評価額)によって決まります。アパート経営が相続税対策に選ばれる最大の理由は、時価(市場価格)と評価額の間に差が生まれるからです。

現金から不動産へ変えるだけで評価が下がる
現金は、その額面通り100%の価値で評価されます。一方、不動産の相続税評価額は、時価よりも低く設定されるのが一般的です。

土地: 時価(公示地価)の約8割
建物: 時価(建築費)の約6〜7割

たとえば、1億円の現金をそのまま相続すると評価額は1億円ですが、1億円で不動産を購入して相続すると、評価額は7,000万〜8,000万円程度まで圧縮されます。

「人に貸す」ことでさらに評価が下がる
さらにアパートの場合、自分が住む家よりもさらに評価額が下がります。これは、借主(入居者)に住む権利が発生し、オーナーが自由に使えない制約を考慮するためです。

小規模宅地等の特例の適用
さらに強力なのが、「小規模宅地等の特例」です。一定の要件を満たすアパート経営(貸付事業用)の場合、土地の面積のうち200㎡までの部分の評価額を50%減額できます。

このように、不動産への組み替え、貸家による評価減、特例の活用という3ステップを組み合わせることで、現金で相続するよりも税負担を軽くできます。

仕組み③:住宅用地の特例で固定資産税を軽減

固定資産税の「住宅用地の特例」とは、居住用建物が建っている土地の固定資産税評価額が減額される制度です。具体的には以下の減額を受けられます。

用地 対象 軽減率
小規模住宅用地 200㎡までの部分 固定資産税評価額×1/6
一般住宅用地 200㎡超の部分 固定資産税評価額×1/3

例えば、敷地面積200㎡、評価額3,000万円の場合、特例を適用することで評価額が500万円まで下がります。固定資産税は課税対象額に税率を生じて算出するため、課税対象額が下がることで税額も下がります。

なお、住宅用地の特例は都市計画税においても以下のように適用されます。

用地 対象 軽減率
小規模住宅用地 200㎡までの部分 固定資産税評価額×1/3
一般住宅用地 200㎡超の部分 固定資産税評価額×2/3

固定資産税、都市計画税は毎年課税されるため、税額が減少することで税負担の大きな軽減が見込めます。

ただし、上記は土地のみの節税です。アパートを建築すると建物についての固定資産税、都市計画税がプラスされるため、トータルでは更地のときの税額の6分の1よりも軽減率は少なくなるので注意しましょう。

アパート経営の節税シミュレーション

ここでは、いくつかのパターンで具体的な数値を用いて節税効果についてシミュレーションをしていきます。

年収1,000万円サラリーマンの場合

年収1,000万円(課税所得1,000万円と仮定)の会社員の方が、1億円の新築木造アパートを購入した場合の所得税還付額を計算してみましょう。

物件と経営状態の前提条件
物件価格:1億円(建物8,000万円/土地2,000万円)
構造・耐用年数:新築木造(耐用年数22年)
表面利回り:4.0%(年間家賃収入:400万円)
年間経費:200万円(減価償却費を含まない管理費・ローン利息など)

帳簿上の利益(不動産所得)を計算
次に、税金の計算対象となる不動産所得を出します。ここで減価償却費が大きな役割を果たします。

減価償却費の計算:建物価格 8,000万円 × 償却率 0.046 = 368万円
不動産所得の計算:家賃収入 400万円 −(経費 200万円 + 減価償却費 368万円)= −168万円

実際の手元には現金が残っていても、帳簿上は168万円の赤字となります。

損益通算による節税効果
この168万円の赤字を、給与所得と合算(損益通算)します。

損益通算後の所得: 1,000万円(給与所得)− 168万円(不動産所得の赤字) = 832万円

この所得の圧縮により、所得税額は以下のように変化します。
対策前の所得税: 約176.4万円(税率33%)
対策後の所得税: 約127.0万円(税率23%にダウン)
還付される税金: 約49.4万円

所得税の税率は所得が900万円を超えると23%から33%へ跳ね上がるため、損益通算で所得を900万円以下に抑えることで、高い節税効果を得られます。

ただし、節税の鍵となる減価償却費は、木造アパートの場合22年で終了します。それ以降は経費が減り、逆に税負担が増える可能性があるため、償却期間終了を見据えた出口戦略を計画しておくことが重要です。

年収1,500万円サラリーマンの場合

年収がさらに高いケースとして、1億5,000万円の鉄筋コンクリートマンションを購入した場合をシミュレーションします。

アパート経営の条件
RC構造は木造に比べて耐用年数が長いため、1年あたりの減価償却費は少なくなりますが、物件価格が大きくなる分、節税効果にどう影響するかを見てみましょう。

物件価格:1億5,000万円(建物1億2,000万円/土地3,000万円)
構造・耐用年数:新築RC(耐用年数47年)
表面利回り:3.0%(年間家賃収入:450万円)
年間経費:250万円(減価償却費を含まない)

帳簿上の利益(不動産所得)を計算
RC構造の償却率(定額法)である0.022を用いて計算します。

減価償却費の計算:建物価格 1億2,000万円 × 償却率 0.022 = 264万円
不動産所得の計算:家賃収入 450万円 −(経費 250万円 + 減価償却費 264万円)= −64万円このケースでは、帳簿上で64万円の赤字が発生します。

損益通算による節税効果
所得税率33%の年収1,500万円の人が、この赤字を合算した場合の比較です。

損益通算後の所得: 1,500万円 − 64万円 = 1,436万円
対策前の所得税: 341.1万円
対策後の所得税: 約320.3万円
節税額: 約20.8万円

所得額が圧縮されることで、高い税率が適用される部分の税負担を確実に軽減できていることがわかります。

年収が高くなるほど、個人で運営するよりも資産管理会社を設立して運営する方が有利になるケースが増えます。個人の場合は所得税と住民税を合わせると最大で約55%の税率がかかりますが、法人の場合は実効税率が33~35%程度で一定のためです。

所得額が多い方は個人よりも法人で運営した方が節税効果が大きくなるケースもあるので、税理士などに相談しながら検討するとよいでしょう。

土地保有者(相続税対策)の場合

すでに土地を保有している方がアパート経営を始めると、所得税だけでなく土地にかかる固定資産税や相続時の相続税軽減効果も見込めます。

ここでは、更地のまま所有する場合とアパートを建築した場合で税負担がどれだけ異なるかをシミュレーションしていきましょう。

シミュレーションの条件
土地の価格(公示価格):4,000万円
敷地面積:250㎡
建物の建築費用:6,000万円

相続税のシミュレーション
相続税は、時価ではなく相続税評価額をベースに計算されます。

更地の場合: 4,000万円 × 0.8 = 3,200万円

アパートを建てた場合:
貸家建付地評価:3,200万円 × (1 – 30% × 80%) = 2,432万円(賃貸割合80%と仮定)
特例の適用: 200㎡までの部分を50%減額。最終的な評価額は、約1,074万円まで圧縮されます。

更地なら3,200万円と評価される土地が、アパートを建てることで約1,074万円(約1/3)まで下がるため、相続税を大幅に抑えることができます。

固定資産税のシミュレーション
固定資産税(税率1.4%)は、更地よりも住宅用地の方が圧倒的に安くなります。

更地の場合:評価額を公示価格の7割(2,800万円)とすると、
2,800万円 × 1.4% = 39.2万円(年間)

アパートを建てた場合:住宅用地の特例により、土地の評価額が最大1/6に軽減されます。土地の固定資産税は、約7.8万円まで下がります。

ただし、アパートを建てると建物の固定資産税が新たに加算される点に注意が必要です。

建物の固定資産税(目安): 6,000万円 × 70% × 1.4% = 58.8万円

新築特例:新築から3〜5年間は、建物の税額が半分(約29.4万円)に減額されます。

土地の節税効果は非常に大きいですが、建物分を含めたトータルの納税額で収支をシミュレーションしておくことが重要です。

相続税は現預金や他の資産状況によっても変わるため、非常に複雑です。具体的な対策を立てる際は、税理士などの専門家を交え、最適なプランを検討しましょう。

アパート経営と他の不動産投資の節税効果を比較

不動産投資にはいくつかの手法がありますが、節税効率の観点ではアパート経営が有利に働くケースが多くあります。

ここからは、区分マンション経営、一棟マンション経営とアパート経営を比較し、なぜアパート経営の節税効果が優れていると言われるのか、その理由を解説します。

区分マンション投資との比較

区分マンション投資(ワンルーム投資など)とアパート経営を比較した際、最も大きな違いは節税のスピード感にあります。初期費用の安さにつられて区分マンションを選ぶと、期待したほどの節税効果が得られないこともあるため、その理由を解説します。

区分マンション投資は、マンションの1室単位で購入するため、比較的少額からスタートできるのが魅力です。しかし、節税面で見ると、以下の理由からアパート経営よりも効率が落ちる傾向にあります。

法定耐用年数の違い
節税の鍵となる減価償却費の額は、建物の構造によって決まる法定耐用年数に大きく左右されます。

区分マンション(主にRC造): 耐用年数 47年
アパート(主に木造): 耐用年数 22年

RC造は頑丈な分、長い年月をかけて少しずつしか経費にできません。一方、木造アパートは短期間で集中的に経費を計上できるため、1年あたりの節税額が大きくなります。

年間の減価償却費のシミュレーション
実際に、同程度の投資額でどれくらいの差が出るか比較してみましょう。

区分マンション: 取得額 3,000万円 ÷ 47年 = 約64万円/年
アパート: 取得額 5,000万円 ÷ 22年 = 約227万円/年

このように、アパート経営の方が1年間に計上できる経費(減価償却費)が圧倒的に多くなります。

収益性とリスクのバランス
区分マンションは1室単位の運用のため、退去が発生すると「収入ゼロ(空室率100%)」という極端な状態に陥ります。対してアパートは複数戸を所有するため、1室が空いても他の部屋でカバーでき、収益を安定させながら着実に節税を上乗せすることが可能です。「短期間で効率よく所得税を圧縮したい」と考えるのであれば、区分マンションよりも木造アパートの方が適していると言えるでしょう。

一棟マンション投資との比較

一棟マンション投資は、アパート経営よりもさらに規模の大きな投資です。投資額が大きい分、税金に与えるインパクトも大きくなりますが、アパート経営とは節税効率やリスクの性質が異なります。一棟マンションと比較した場合のアパート経営の特徴を見ていきましょう。

一棟マンション投資とは、RC造などの大型物件を丸ごと所有する手法です。戸数が多いため収益力が高く、空室リスクを分散しやすいという強みがあります。

節税の規模と効率の違い
一棟マンションは物件価格が高額になるため、年間の減価償却費の総額は大きくなります。しかし、投資額に対する節税効率で見ると、木造アパートに軍配が上がります。

一棟マンション: 償却期間が47年と長いため、多額の資金を投じても、1年あたりの経費にできる割合は少なくなります。
アパート: 償却期間が22年と短いため、投資額に対して効率よく所得を圧縮できます。

年間の減価償却費の比較例
以下の条件で、年間の減価償却費にどの程度の差が出るか算出します。

一棟マンション: 取得額 3億円 × 償却率 0.022 = 660万円/年
アパート: 取得額 5,000万円 × 償却率 0.046 = 230万円/年

一棟マンションは、アパートの6倍の資金を投じていますが、減価償却費は約2.8倍に留まっています。つまり、少ない資金で効率よく節税したいというニーズにはアパート経営が向いていることがわかります。

初期投資と出口戦略のリスク
一棟マンションは数億円単位の借り入れが必要になるケースが多く、金利上昇や大規模修繕時のコスト負担も高額になります。また、価格が高すぎるために「売りたい」と思った時に買い手が見つかりにくい点にも注意が必要です。アパート経営は、一棟マンションに比べると投資規模を抑えつつ、高い節税効果を狙える投資効率の良さが大きな魅力と言えます。

アパート経営の節税における注意点とリスク

アパート経営は他の不動産投資と比較しても高い節税メリットがあります。しかし、節税だけに目を奪われてしまうと、思わぬ落とし穴にはまるリスクがあります。

アパート経営の節税における注意点とリスクを5つの観点で説明します。

注意点①:節税効果は一時的

所得税、住民税を節税するうえで鍵となる減価償却費は、計上できる期間が決まっています。ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態をデットクロスと呼び、この状態になると減価償却費が計上できなくなり、以降は一気に税負担が増える恐れがあります。

減価償却費を計上できなくなる時期は事前に把握可能です。あらかじめ時期を把握し、繰り上げ返済や売却などデットクロス前後の対策や出口戦略を練っておくようにしましょう。

注意点②:節税だけを目的にしてはいけない

所得税、住民税の軽減を狙うならアパート経営の収益を赤字にする必要があります。減価償却費をうまく活用し、実際の経営は黒字であれば問題ないでしょう。

しかし、不要な経費を使って無理に赤字を作り出す、集客がうまくいっていないといった赤字は最終的に手元に残る現金も大きく減るため、節税できてもアパート経営としては本末転倒といえます。

節税はあくまで副次的なメリットと捉え、税金を支払っても十分な現金が手元に残るように黒字経営を目指すことが大切です。

注意点③:空室リスク

アパート経営するうえでの大きなリスクに空室リスクがあります。空室が長期間続くとその間収入が入らないため、収益を大きく下げる恐れがあります。

さらに、空室は節税の上でもデメリットが生じます。相続税評価額を算出するうえでは「賃貸割合」が加味されます。空室が多いと賃貸割合が下がってしまい、評価額が上がり、結果として相続税の負担が増える恐れがあるのです。

収益性や節税を検討するうえでも、空室リスクを抑えられるように、競合や市場を分析しニーズの高い間取りや設備を導入し差別化を図っていくようにしましょう。

注意点④:修繕費の増加

アパートは築年数の経過とともに建物や設備の老朽化が進むため、修繕費が増加します。新築当初はメンテナンス費や修繕費はそれほどかかりませんが、そのままの状態と仮定して収支計画を立てていると、修繕費の増加で収支が悪化する恐れがあります。

長期的な収支計画を立てる際には、経年劣化による修繕費の増加や家賃下落なども加味して詳細にシミュレーションしておくことが大切です。

注意点⑤:税務調査のリスク

アパート経営では経費を計上することで赤字を作り出し節税効果を生み出します。ただし、「何でも経費にできる」と誤った認識で不適切な経費計上をしていると税務調査を受け、重加算税などのペナルティを課せられる恐れがあります。

代表的な経費計上できない費用としては、ローン返済のうち元本部分や購入時の仲介手数料、事業とは無関係な個人的な支出などが挙げられます。

経費計上できるものやできないものの理解を深め、適切に計上できるようにすることが大切です。経費計上できるか不安な場合は、税理士など専門家に相談することをおすすめします。

アパート経営の節税以外のメリット

アパート経営において節税は大きな魅力ですが、ほかにも多くの魅力を有しています。ここでは、節税以外のアパート経営のメリットについて解説していきます。

節税は「手段」、収益は「目的」

アパート経営の最大のメリットは、収益を上げて手元に現金を残せる点です。これは、アパート経営本来の目的でもあります。

つまり、節税は現金を多く残すための手段に過ぎません。節税し税金を正しく収めたうえでも長期間に渡り安定したキャッシュフローを得ることが、アパート経営するうえで重要なポイントである点は覚えておきましょう。

アパート経営の3つの資産形成効果

アパート経営することで、以下の3つの資産形成効果が期待できます。

・レバレッジによる資産拡大
・生命保険代用
・インフレ耐性

アパート経営のレバレッジとは、少ない自己資金でより大きな利益を得ることをいいます。アパート経営では、自己資金+融資により自己資金以上の物件への投資が可能になります。

例えば、自己資金2,000万円で2,000万円の物件を購入した場合と5,000万円の融資を加えて7,000万円の物件を購入した場合をみてみましょう。

自己資金のみ(2,000万円) 融資を活用(7,000万円分)
物件価格 2,000万円 7,000万円
(自己資金2,000万円+融資5,000万円)
年間収益 100万円 350万円

同じ2,000万円の元手でも、レバレッジを利かせることで3倍以上の家賃収入を手にすることができ、資産形成のスピードを圧倒的に加速させられます。

また、アパートの購入は生命保険の代用になります。アパート購入時は団体信用生命保険に加入します。これは、オーナーであるあなたに万が一のことがあった際、保険金でローンの残債が完済される仕組みです。

仮にオーナーが亡くなった場合に遺族にローンの負担がかかる心配はありません。また、アパートという資産を残せるので、遺族は売却、あるいはそのまま経営して収入を得るなどが可能です。

さらに、アパートなどの不動産は現物資産であるため、物価上昇に強い特徴があります。インフレ対策として資産運用にアパート経営を組み込むことで、より安定した資産形成をしやすくなります。

失敗しないアパート経営の5ステップ

アパート経営を検討しているけど、どう始めればいいか分からないという方もいるでしょう。節税効果を最大化しつつ、健全なアパート経営をするためには、購入前の準備が重要です。

ここでは、失敗しないアパート経営の5ステップを解説します。

ステップ①:自己資金と融資可能額の確認

まずは、いくらの物件に投資できるかを把握します。自己資金は家計や資金状況からいくらまで投入できるかを確認しましょう。また、年収や属性からどの程度融資を受けられるかも把握しておくことが大切です。

ただし、融資可能額ギリギリで投資を検討するのはおすすめできません。無理なく返済できるかまでシミュレーションしておくことで、長期間安定したアパート経営が可能になります。

ステップ②:物件選定(立地・構造・利回り)

投資可能額を把握したら、物件をリサーチしていきます。

節税効果を重視する場合、耐用年数が短く経費計上額が大きくなる「木造」を選ぶのがポイントです。そのうえで、空室リスクを抑えられるよう需要のある立地を選ぶことも欠かせません。

物件を選ぶ際には表面利回りのみで検討するのではなく、物件の資産価値や経費なども考慮することが大切です。表面利回りは小さくても高品質な物件に投資することで、競合との差別化を図り、長期的に資産価値を保つことを期待できます。

高品質な木造アパートという選択肢
ヒノキヤの木造アパート「LEGNO(レグノ)」は、高い耐震性と耐久性を備え、長期にわたって資産価値を維持できる設計が特徴です。木造による高い節税効果を得つつ、高品質による競合との差別化を実現したい方は、お気軽にご相談ください。

ステップ③:収支シミュレーション

収支シミュレーションでは家賃収入や返済額だけでなく、具体的な諸費用や税金、所得税の還付額なども考慮して入念にシミュレーションすることが大事です。

シミュレーションする際には、築年数の経過による修繕費の増加や家賃下落、デットクロス対策なども加味して、長期的な計画を立てることが大切です。そのうえで、税引き後のキャッシュフローを明らかにしていくと、安心してアパート経営をしやすくなります。

ステップ④:税理士への相談

節税効果は、個人の状況や投資する物件などによって大きく異なります。また、個人でアパート経営をするか、法人を設立するかによっても変わってきます。

正しい税額や節税効果を把握するには専門知識が必要になります。そのため、最適な節税スキームを選ぶためには、税理士に相談することが欠かせません。

具体的な物件が決まったら税理士に相談し、節税効果や最適なスキームなどのアドバイスをもらうようにしましょう。

ステップ⑤:物件購入と運営開始

物件が決まったら、物件の購入に進みます。物件購入では、売買契約、ローン契約を経てローン審査に通れば決済と引き渡しです。引き渡し後は、アパートの運営がスタートします。

入居者の募集や管理、建物メンテナンスが必要ですが、これらは管理会社に委託可能です。運営スタート前には信頼できる管理会社を見つけておき、運営スタート後は定期的に経営状況をチェックできる体制を整えておくとよいでしょう。

まとめ

アパート経営は、所得税や住民税、固定資産税、さらには相続税まで、幅広い税金の負担を軽減できる非常に有効な手段です。

しかし、解説してきた通り、節税効果を最大化するには減価償却や損益通算といった仕組みを正しく理解し、綿密な計画を立てる必要があります。また、節税はあくまで手元に残る現金を増やすための手段であり、アパート経営そのものが黒字で安定していることが何より重要です。

「自分の場合はいくら節税できるのか?」「どの構造の物件が最適なのか?」といった疑問を解消し、失敗しないアパート経営をスタートさせるには、実績豊富なパートナー選びが欠かせません。

ヒノキヤでは、高い節税効果が見込める木造アパート「LEGNO(レグノ)」をはじめ、オーナー様の資産状況に合わせた最適な土地活用・節税シミュレーションをご提案しています。賢い節税と安定した資産形成への第一歩として、まずはヒノキヤへお気軽にご相談ください。

ヒノキヤの木造アパート「レグノ」はこちら:
https://land.hinokiya-group.jp/apartment_terraced-house/

ヒノキヤのその他の土地活用はこちら:
https://land.hinokiya-group.jp/

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